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【初めての起業】強みを見つける方法は探さない視点が肝心!?

最近、こんなお問い合わせを3件いただきました。「起業したいと思っているのですが強みと呼べるものがわかりません」です。

あなたも何か自分でお仕事を始める場合には、「強みと呼べるものが必要だ」と思っていませんか?

“何事も強みの上に築け”の言葉の通り、起業にはとても重要な要素です。でも、いざ、強みを探し始めると「多分、これだろう?」 、「いやいや、これかもしれない?」、 なかなか、強みはわかりませんね。

頭の中はグルグル回ってメリーゴーランド、ときには酔ってしまいます。でね、その通りです(汗)

しかし、「自分には強みがない」と、思ってはいけません。必ず、あなたに強みはあります。見つけられないだけです。

今日は、どうして見つからないの? その理由と見つけるための視点についてお伝えします。

強みを探しているうちは見つからない

いきなり、なにそれ?ですよね。でもね、強みを見つけるには強みを探してはダメなんです。それを紐解くために順を追ってお話したいと思います。

最初に「強み」って、何でしょうか? この答えを考えてみましょう。

多分、あなたの頭には、「長所」とか、「優れているところ」なんてことが浮かんだのではないでしょうか。

その通りですね。辞書を引いても、そのように出ています。では、優れているところを知るには、何をしたらいいのでしょうか?

少し考えれば当たり前なのですが、意外に抜けてしまいます。それは「比較」することです。優れているのかどうかは、比べて初めてわかります。

「強みは比較しないとわからない」と言うことです。

比較するってどういうこと?

勘違いしないで欲しいことが2つあります。

一つ目は、強みがわかれば “差別化できる”  “選ばれる” のではありません。見つけた強みを差別化できるように、選ばれるようになるために、比較してブラッシュアップするんです。

二つ目は、あの人のようになりたい‼  と「自分よりも優れた人と比較する」ことです。これが、いけません。

例えば、ピアノを弾くことが得意だとしましょう。そうすると、私もあの人のようになりたいと憧れを抱きます。身近なところでは、指導いただいている先生だとか、○○コンクールで入賞した先輩といった具合です。

そうすると、どのように思いますか?

自分は、まだ先輩の域には達していない。まだまだ、技量が足りない。となりますよね。こうなるとピアノを弾くことは、“強み”ではなく”弱み”と無意識のうちに思ってしまいます。

確かに、自分よりも技量の高い人を目標にすることで上達スピードは上がるでしょう。でも、強みを見つけたいのであれば逆効果。見つからなくなります。マイナス思考が働いて、視野を狭くしてしまうということです。

強みを見つける視点

強みを見つける時に大事なことは比較する人は「誰か」です。

では、誰と比較することで強みに気付くのでしょうか?

それは、自分より技量の劣っている人です。理由はですね、自分目線ではなく、相手目線で考えるとわかります。

例えば、技量を上中下の3つに分けたとします。前述のピアノであなたの技量を「中」としましょう。

「上の人」から見たら気にならない存在
「中の人」から見たらライバル的な存在
「下の人」から見たら魅力のある存在

技量が劣る人から見たら憧れです。教えてほしい、と思われる人になります。つまり、先生ですね。

技量が「上」だから強みになるわけではありません。得意なピアノを活かして教室を開きたいのであれば、初心者専門の教室があっても良いのではないでしょうか。

当然、あなたの技量は時間と共に中から上へとランクアップもするでしょう。なにも、最初からコンクール入賞を狙う人を対象にして教える必要はないんですね。この考え方が大切です。

あなたは「上」ばかり見ていませんか?

強み」とは「誰か」によって変化します。見つけるには「誰か」を決めることが大切な視点となるわけです。

強みとはいったい何でしょう?

結論から言いますね。それは、「差分」です。人と比較して差が出るところとなります。そして、その差分とは、人より「少し優れている」と思えれば結構です。

人それぞれ経験してきたことは違います。そこに差分が生まれます。それが強みなんです。だから必ず強みは見つかるのですね。とは言え、その差分がわからない、だから強みもわからない、と返答が来るかもしれません。

でもね、あなたの強みはなんですか? と聞かれれば分からなくても、少しだけ人と違う経験はありますか? と聞かれれば探す必要はありませんね。振り返って思い出すだけです。少しだけ、「人と違う経験をしている」「人と違うことを知っている」、その一つひとつの経験が強みの素材です。

ピアノの例をもう一つ踏み込んで考えてみると、そもそもピアノを弾く技量と教える技量は違います。「名選手、名監督にはなるとは限らない」なんて有名な言葉があります。

本当のあなたは、どちらでしょうか。

経験の差分を知識として提供すればいい

強みとは「差分」です。経験が違えば知っていることも変わります。平凡な学生時代を過ごし、普通に就職し、仕事は可もなく不可もないと思っている人も、誰かと経験が同じなんてことはありません。

平凡とか普通とかって、その人が勝手に思い込んでいるだけです。

例えば、営業として数件の提案を抱えながら、お客様との信頼関係をつくるために日々訪問。会社に戻ればミーティングで時間がとれない。そんな中、プレゼンに必要な情報は都度1枚ベストにまとめ保存、提案書の仕上げは2時間程度でやっていた。

この人にとっては、これが普通のルーチンワークです。

あるとき、同僚から、どうして提案書がそんなに早く仕上げられるの? と相談された。日頃やっている1枚ベストにまとめるコツと提案書テンプレートを教えてあげた。

提案書づくりが苦手な同僚は資料作成が格段に速くなりクロージングも上手くいった。と感謝され、喜んでもらえた。自分では普通でも、相手からはスゴイと見えています。

当たり前の中に強みは隠れているものです。差分を知って、それを必要としている人に知識として伝えれば、そこに価値が生まれます。

どんな小さなことでも結構です。相手の役に立ったと思える経験を思い出してみましょう。

まとめ

強みは技量が優れていることではありません。そこを意識し過ぎると視野を狭めてしまいます。必要な視点は「誰」と比較して優れているかです。

人それぞれ歩んできた人生が違います。経験してきたことも異なります。そこにあるものが「経験の差分」です。それを知識として提供することで強みとなります。

仕事でも、プライベートでも、小さなことでも「役立ったと思う経験」を思い出してみてください。

そして、それは「誰にとって、どのように良いのか?」 、この視点があれば、きっと、あなたの「強み」に気付くことができるはずです。

それでは、「楽しむ」を大切に